日本企業にも普及が進む「OSPO」とは

最近筆者は「OSPO」という文字を目にする機会が多くなったと感じていましたので、「OSPO」とは何かを調べてみました。

「OSPO」は「Open Source Program Office」の略称です。
OSSはコミュニティによって開発され、ライセンスに準拠して利用すれば誰でも使用することが可能です。 OSSを企業が正しく利用するためには、ガバナンスの構造やルールの策定といった体制整備が必要となってきます。
そこで、ライセンスの遵守、開発コミュニティへの貢献の2つの軸において、コンプライアンスに則ったオープンソースの使用を促進する正式なプログラムとして、OSPOが必要になってきました。OSPOの動きが始まってから20年余りが既に経過しています。

2022年5月22日には、Linux Foundation ResearchとTODO Groupが共同で作成した最新ホワイトペーパーの日本語版「Open Source Program Office (OSPO)の進化 ー Bloomberg、Comcast、Porsche 各社ケーススタディから見るOSPOの成熟モデル」が公開されました。
このホワイトペーパーには、企業や公的機関などの組織がOSPOやオープンソースイニシアチブを設置する際に役立つ、一連のパターンと方向性、およびチェックリストが含まれています。 Linux Foundationによると、本ホワイトペーパーが、「OSPOエコシステムの複雑さを適切にフレーム化し可視化する方法をガイドし、OSPOの計画および導入のロードマップ策定を支援できることを期待しています。」とのことです。

最近日本の企業では、サイバートラスト社が2022年6月23日にOSPOを設立したことを発表しております。
サイバートラスト社はこれまで、KernelCIプロジェクト技術運営委員会メンバーへの就任や、Yocto Project Ambassadorへの就任、Pythonカンファレンスのスタッフとしての活動の他、OSSイベント等への参加費や渡航費の支援、コミュニティ活動のための特別休暇を設けるなど、個々のコミュニティ活動も支援されているとのことです。
サイバートラスト社は「OSPOの取り組みにより、コミュニティへの貢献・連携を強化するとともに、会社組織を横断してOSS活動のさらなる発展を促し、OSSへの貢献と事業との接続を推進する」と述べています。

今後もOSPOの設立が増えていくかと思いますので、動向を追っていきたいと思います。

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